中心市街地の閉店したデパートを、美術館へコンバージョンした公立美術館。街と美術館の中間領域にある1階の交流スペースを設計した。全国各地にある美術館と比較して、 この美術館は街との距離が非常に近いことがわかった。素材は日常にありふれたOSBを使用し、箱やソファ、テーブルなどの日用家具のアイコンを変形させ、抽象化することで、日常(街)と非日常(展示室)の橋渡しをしている。アーカイブスペースは DIYで作ったような箱を300個近く積み重ね、囲われた場所を創りだした。ミュージアムショップでは、巨大で抽象化されたソファを街に面して配置。街を歩く人を眺めつつ、時を過ごせる場所を生み出した。カフェではコミューナルテーブルと呼ばれる共有テーブルと、スタンダードなソファをセレクトしたラウンジ的な場所を作った。
建築設計:水谷俊博建築設計事務所
交流スペースデザイン:ミリメーター
交流スペース面積:503m²
写真:淺川敏